キャットフードに含まれている栄養素(脂質)

キャットフードには、肉や魚から得られる脂肪分や油脂から得られる脂肪酸などの脂質が含まれています。
脂質は炭水化物やタンパク質に比べて、およそ2倍以上のエネルギー価があります。
そのためカロリーが多く、活発な猫には大事なエネルギー源となります。
ただし太り気味でダイエットが必要な猫には、与える脂質の量を控えてあげるなど工夫が必要になります。

キャットフードに含まれる脂質がどの位かは、パッケージに記載されている「粗脂肪」の成分表示で大まかに把握することができます。
猫の排泄物や体調などの様子を見ながら、愛猫にちょうどいい脂質量のフードを選んであげましょう。

粗脂肪と、猫にとっての必須脂肪酸について

「粗脂肪」という表示には、単純に肉や魚の脂肪分だけでなく、細胞膜の重要な成分であるリン脂質、エネルギーの供給に必要な糖脂質、脂肪酸、脂溶性の栄養素なども含まれています。
その中でも食事で積極的に取り入れたいのが、体内では作り出すことができず、食事で外から取り入れる必要のある「必須脂肪酸」です。
猫の必須脂肪酸は、下記の通りです。
猫の必須脂肪酸……リノール酸、αリノレン酸、アラキドン酸、EPA、DHA いずれも多価不飽和脂肪酸と呼ばれるもので、リノール酸とアラキドン酸はオメガ6系の脂肪酸、αリノレン酸やEPA・DHAはオメガ3系の脂肪酸です。
オメガ6系もオメガ3系も不足すると皮膚炎などの症状を起こしやすくなります。
また脂溶性のビタミンを効率良く吸収するためにも脂肪酸は必要不可欠です。

ダイエット中の場合でも、この必須脂肪酸は過不足なく補う必要があるため覚えておきましょう。

脂肪や必須脂肪酸の源となる食材について

脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸とがあり、猫にとっての必須脂肪酸は不飽和脂肪酸の中の「多価不飽和脂肪酸」と呼ばれるものです。
不飽和脂肪酸には、その他一価不飽和脂肪酸と呼ばれるものがあります。

肉由来の脂肪には中性脂肪の他、主に飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸が多く含まれています。
一方、魚の場合は中性脂肪、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸も多く含まれていますが、必須脂肪酸と呼ばれる多価不飽和脂肪酸が多いという特徴があります。

魚は必須脂肪酸であるDHAやEPAをとれる良い食材ですが、反面なるべく控えたいその他の脂肪酸も多く、またDHAやEPAはとりすぎると黄色脂肪症を起こしやすくなることがあります。
魚をたくさん与えれば安心という訳ではないため、フード全体の粗脂肪の量に気を付けるのはもちろん、魚中心のフードを与え続ける場合は黄色脂肪症を防いでくれる栄養素・ビタミンEを添加しているフードを選ぶようにしましょう。

またDHAやEPA以外の必須脂肪酸は下記のような食材から補うことができるため、フードに使われているか確認してみましょう。

リノール酸……リノール酸系ひまわり油、大豆油、菜種油、まぐろ、いわし、かつお、大豆
αリノレン酸……菜種油、大豆油、大豆、じゃがいも、かつお、まぐろ、えんどう、小麦胚芽
アラキドン酸……卵、レバー、さわら、さば、いわし、ぶり、まぐろ

猫にとって脂質は重要なエネルギー源であり、健康を維持するためにも重要な栄養素です。
ただし猫の体調や体質によっては脂質のとりすぎに注意が必要なケースがあります。
猫の体調が優れない時や太りやすい体質の場合は、適切な脂質の量について獣医師に相談を行ってみてください。
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