キャットフードの原材料(ビートパルプ)
キャットフードに含まれるビートパルプとは、ビート(砂糖大根・甜菜のこと)から糖蜜を取り出したあとの残りかすのことです。
ビートパルプには以下の異なる2つの食物繊維を含みます。
可溶性食物繊維
水に溶ける食物繊維のこと。消化器をサポートし、善玉菌を増やすなど腸内環境を改善します。
腸壁を保護したり、腸内を酸性に保つことで悪玉菌の活動を抑えます。
不溶性食物繊維
水に溶けづらい食物繊維のこと。腸内の掃除をし、大腸のはたらきを良くします。
便秘改善に役立つと言われていますが、便を硬くし、量を増やしてしまうため、便秘の猫にとっては逆に悪化させてしまったり、痔になってしまうこともあります。
このように食物繊維の摂取が猫の身体にとって役立つことはわかりましたが、便秘の要因を作るというリスクがありながら、なぜわざわざ糖分を取り出した後の残りかすから食物繊維を摂取させようとするのでしょうか?
ひとつはコストが安いから。
他の良質な食物繊維を含む穀物(米、大豆など)を使用するよりも、副産物であるビートパルプは低価格で大量に仕入れることができます。
そのため、激安で大容量のキャットフードに多く使われています。
もうひとつはかさ増しができるから。
ビートパルプの割合を多くすれば、肉類や野菜類の割合を多くしなくて済むため、かさ増しになるからです。
従来の方法では、圧力を利用してビートから糖分を取り出していました。
しかし、最近になって薬剤を使用したほうが効率が良いことが分かり、硫酸系の薬剤が使用されるようになりました。
その薬剤が、キャットフードに含まれるビートパルプに残っている可能性があります。
硫酸系の薬剤は内臓や神経に有害です。
特に、安いキャットフードは内臓の弱っているシニアの猫や、発育途中の子猫に与えるのは避けたほうが良いでしょう。