キャットフードの添加物(ソルビン酸カリウム)

ソルビン酸カリウムはカビや菌に対して静菌効果があることから、キャットフードでは保存料として使われている添加物です。
特にソルビン酸カリウムは酸性の環境で静菌作用が強くなることから、酸性の環境を好むカビの繁殖を抑えるために用いられることが多いようです。

その他、ソルビン酸カリウムには下記のような特徴があります。

ソルビン酸カリウムについて

ソルビン酸カリウムは体内に入るとソルビン酸として取り込まれ、十分な炭水化物が存在していれば代謝を経て、最終的には水と二酸化炭素になると予測されている成分です。
そのため添加物の中では、比較的安全な物質と言われています。

ただしソルビン酸カリウムは、他の添加物と反応することで遺伝毒性(細胞のDNAを傷つけ、遺伝子の突然変異を起こすこと)が強まることがあると言われており、特にアスコルビン酸(ビタミンC)と鉄塩(Fe-EDTA、クエン酸鉄、硫酸鉄)とが同時に存在している環境で酸化が進められると、遺伝毒性が強まる恐れがあります。

またソルビン酸カリウムは食品に対しての静菌効果がある反面、長期的に与え続けることで腸内細菌に影響を及ぼすのではという専門家の意見もあります。

ソルビン酸カリウムは代謝ができるため、添加物の中では比較的安全なものとされていますが、長期的に取り入れたり、また他の添加物との反応によって体に悪影響を起こしたりする可能性も否定できません。

添加物だけでなく、食材も栄養剤もメリットがあれば反面としてのデメリットがあるため、添加物の特徴を知り、足りない面がある場合は他のフードや食材などで補い、また取り除くことができるものは取り除き、猫の体調をよく観察しながら与えるようにしてみましょう。

カビや微生物による影響を抑えられる

上記ではソルビン酸カリウムのデメリットを紹介しましたが、使用することによるメリットも当然あります。
ソルビン酸カリウムは酸性環境で繁殖しやすいカビを抑制してくれ、また大腸菌群を抑制してくれるため食中毒の予防に役立ちます。

キャットフードはドライフードならカビが生えるのに必要な水分含有量が少なく、また容器包装で酸素を遮断してあるため、カビや微生物が育つのに必要な条件をある程度カットしてあります。
ただし開封後はドライフードでも湿気や酸素の影響を受け、またフードに含まれる栄養分を餌にカビや微生物が増えやすくなる恐れがあります。

少しでも元気でいてもらうため、猫にぴったりなフードを選びたいならフード添加物からくる健康への影響もさることながら、このカビや微生物繁殖からくる悪影響も見逃せません。

添加物はいたずらに恐れるのではなく、それが使用されている意味やそれが必要となる背景も想像してみて猫にとって与えるべきかどうかを考えるようにしてみましょう。

もしも不安なようなら食べきれる量だけ少量小分けパックされている無添加フードを選んだり、または梅雨・夏場など高温多湿な時期だけ保存料を使用したフードを使用してみたりすると良いでしょう。
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