キャットフードは市販品と手作り、どちらがいいか

猫は食べ物の好みがうるさく、市販品のフードだと飽きてしまうことも多いため、栄養も水分もたっぷりとれ、日々使う食材を変えられる手作りの食事に興味を持つ飼い主さんも多いと思います。

ただし市販品にもメリットとデメリットがあるように、手作りの食事にもまたメリットとデメリットがあります。
ぜひ愛猫の体調や体質、食の好みと自分のライフスタイルに合っているのはどちらの食事か、十分に検討してみて、より良い方法だと思う食事を選んでみてください。

ドライフードは水分が少ない、手作り食は水分が多い

ドライフードは水分含有量が10%以下ですが、手作り食は水分が多く、ご飯をとらせると同時に水分を多くとらせることができます。
そのため水をきちんと飲む猫はドライフードでも問題ありませんが、水をあまり飲んでくれない猫には手作り食やウェットフードなどを与えて、食事から水分をとらせてあげる必要があります。

市販品は日持ちする、手作り食は日持ちしない

水分含有量の少ないドライフードは開封後も日持ちしやすいのに対し、水分を多く含む手作り食は日持ちしにくい特徴があります。
そのため一回で完食できる、食べることが大好きな猫には手作り食が向いていますが、むら食いの多い猫には向いていません。

市販品は栄養バランスが常に一定、手作り食は日により異なる

猫にとって必要な栄養素をバランスよく、偏りなくとれるようになっているのが総合栄養食のキャットフードです。
一方手作り食の場合は、使う食材や季節によって日々の栄養バランスは異なります。

専門家の指導を受けて適切な方法で食事を作り、猫も健康であるなら、さほどこの栄養バランスが問題になることはありません。
ただし何らかの病気になり、食餌療法が必要になった時は食事からとれる栄養や調理について、さらに高い知識や技術が必要になることがあり、手作りすることが難しくなるケースがあります。

市販品は不透明な部分が気になる、手作り食は全て把握できる

市販品ではなく手作り食を選ぶ飼い主さんの中には、市販品のグレーゾーン(食材の産地が不明、使用部位が不明、副産物の安全性が不明など)が気になって、すべて自分で把握できる手作りに切り替えたという方も多くいます。
手作り食では人間が食べる食材のみを使用した、いわゆるヒューマングレードな食事を猫に与えられるというメリットがあります。
またアレルギー症状がある猫の場合も、手作りは食材を全て自分で選べるため安心です。

市販品はアレンジに制限があるが、手作り食ならアレンジが容易

猫が突然フードを食べてくれなくなった時、市販品はトッピングを使用するか、フードを切り替えるか、またドライフードならふやかすかなどアレンジに限りがあるのに対し、手作り食は調理法や食材を容易に変えられるため、アレンジが容易にできて猫が飽きにくいというメリットがあります。

カリカリ食感重視なら市販品、香り重視なら手作り食

猫の中にはいわゆるカリカリ好きな、ドライフードしか食べてくれない猫もいます。
そのような猫には手作り食を与えても、一切見向きもしてくれないことがあります。
一方で食事の香りを重視する猫の場合、新鮮な食材の香りが楽しめる手作り食が適している場合があります。

市販品は手間がいらない、手作り食は手間がかかる

市販品は封を開けて皿に移すだけで猫に食事を与えることができますが、手作り食は食材を用意して調理してから与えなければなりません。
そのため仕事が忙しい家庭では、手作り食が負担になるケースもあります。

市販品には市販品ならではの良さがあり、手作りには手作りならではの良さがあり、一言でどちらが正解と決められるものではありません。
だからこそ柔軟に、今の食事が猫の体調・体質に合っていないと感じた場合は、どちらか一方にこだわらず選ぶのがお勧めです。

手作り食を取り入れる場合は専門家の指導やサポートを受ける必要がありますが、もしも市販品が合わないと感じた時は市販品だけにこだわらず、同時に手作り食も選択肢に加えてみましょう。
また手作り食を食べてくれないという場合でも、市販品が愛猫にとってベストな選択だということがあるため、無理に食べさせずに市販品を与えてあげてください。
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