キャットフードに含まれている糖質の量
糖質とは、炭水化物の一部です。炭水化物のうち、体内で吸収されてエネルギー源になるものが糖質、吸収されずに排出されるものが食物繊維と呼ばれます。
キャットフードに含まれている糖質の量は、炭水化物の量を調べることでわかります。
ただし炭水化物の量をパッケージに記載しているメーカーはほとんどありません。
これはキャットフードの栄養成分基準(AAFCO基準)に、炭水化物・糖質の項目がないためです。
つまり猫にとって炭水化物・糖質がどの程度必要なのか、詳しいことは現在でも不明な点が多いということです。
そのため同じ総合栄養食でも、糖質の量はフード製造メーカーの考え方によって全く異なるのが現状です。
炭水化物の割合が30~40%のフードもあれば、20%未満に抑えているフードなどもあります。
フードに含まれている炭水化物(糖質)の量の調べ方
フードに含まれている炭水化物(糖質)の量を調べたい場合は、まずはフードメーカーの公式ホームページを確認してみましょう。プレミアムフードと呼ばれるような、フード成分にこだわりのある会社の場合、自社ホームページで炭水化物の使用割合を公開している場合があります。
また、もし公開されていない場合でも、水分、タンパク質、脂質、灰分の使用割合がわかれば、逆算※して大まかな炭水化物の使用割合を把握することができます。
※100-(水分+タンパク質+脂質+灰分%)=炭水化物の%
ちなみに、猫には少なくとも20%の炭水化物が必要であるが、40%以上になると消化不良を起こしやすく、35%までなら耐性があると考えている専門家もいます。
ですが、猫にとって炭水化物の適正な使用割合ははっきりとはわかっていません。
仮にわかったとしても、猫にとってその炭水化物の量が適正かどうかは猫の体調や体質によって異なります。
炭水化物の使用割合は今のフードと猫との相性が合っていないように感じる時、穀類アレルギーの可能性がある時などの判断材料のひとつとして参考にしましょう。
猫は炭水化物の消化が苦手
炭水化物は人間にとってエネルギー源となる栄養素ですが、猫は雑食である人間や犬のようには炭水化物を上手に吸収できません。猫は糖代謝に必要な酵素の働きが弱かったり、またそもそも持っていなかったりします。
また猫の唾液にはアミラーゼというでんぷんを分解する消化酵素がなく、体内でのアミラーゼ活性も低い動物だと言われています。
猫はある程度の炭水化物(糖質)は吸収できますが、人間や犬のように上手には利用できません。
そのため肉食動物である猫の食性に近い、穀類をあまり使用していないグレインフリーフードと呼ばれるキャットフードが多種に渡り製造・販売されています。
猫にとって最適な炭水化物の量は?
炭水化物の消化が苦手な猫ですが、炭水化物(糖質)が猫にとって全く必要ないのか、それとも一定割合与える必要があるのかどうか、今のところはっきりとはわかっていません。ですが、また炭水化物の供給源となる穀類には腸内環境を整えたり、また猫が毛づくろいで飲み込んだ毛を排出したりするのに役立つ食物繊維も含まれているため、猫に穀類が必要なのかという議論をより難しくしています。
炭水化物の消化が難しい以上、与え続けることが猫にとって本当にいいことかどうかには疑問が残ります。
猫の体調やフードとの相性を確かめながら、現在のフードの炭水化物使用割合が最適かどうかを考えてみましょう。
専門家によっても穀類の使用割合が多いフードを危険視する人もいれば、逆に穀類の使用割合より高タンパク質・高脂質なフードを危険視する人もいて、猫の飼い主にとって炭水化物(糖質)をどう考えるかは、悩まれる方もきっと多い問題だと思います。
ただ、猫は全く炭水化物(糖質)を吸収できないという訳ではありません。
猫の体質や体調をよく観察しながら、猫にとって最適だと思うフードの炭水化物(糖質)割合をまずは調べてみましょう。
それが後々、猫にとって一番いいフードを選びたいと考えた時のひとつの判断材料になってくれるはずです。