キャットフードに含まれている栄養素(ビタミン)
総合栄養食と表記のあるキャットフードなら、猫に必要なビタミンが補えるようになっているため、さほど心配はありません。ただし添加されたビタミンではなく、なるべく食材からビタミンを補えるようにしたい場合はビタミンについても頭に入れておくと、より良いフードが探しやすくなります。
猫にとって必須と言われるビタミンには、下記のようなものがあります。
猫にとっての必須ビタミンについて
猫が体内で合成できるのはビタミンC、ビタミンKです。一方で猫はカロテンからビタミンAを作りだすことができず、また体内で合成できないビタミンB、D、Eについては食事から補ってあげる必要があります。
各栄養素については以下の通りです。
ビタミンA……動物の内臓や魚介類、乳脂肪や卵などに豊富に含まれるビタミンで、レチノールとも呼ばれています。不足すると目や皮膚に異常があらわれることがあり、逆に多すぎると骨格に異常があらわれやすいことから、過不足なく補う必要があります。
ビタミンB群……猫にとって必須のビタミンB群にはB1(チアミン)、B2(リボフラビン)、B3(ナイアシン)、B6(ピリドキシン)、B12(シアノコバラミン)、パントテン酸、葉酸、ビオチンです。特にビタミンB1、B2、B6は猫が体内で合成するのが難しいビタミンなので食事から補う必要があります。
ビタミンC……猫が体内で合成できるビタミンです。ただし加齢や病気などによって体内で合成できる量が少なくなる場合もあります。体調が悪い時にはビタミンCの摂取が必要になる場合もあるため獣医に食事について相談してみましょう。
ビタミンD……猫は紫外線を浴びてビタミンDを合成する力が非常に少なく、ビタミンDは主に食事からとる必要があります。ビタミンDは体内のミネラルをコントロールしている重要なビタミンですが、とりすぎると骨や軟組織に異常が出たり、少なすぎるとくる病にかかりやすくなったりするため過不足なく補う必要があります。
ビタミンE……魚のとりすぎによる黄色脂肪症を防ぐために、キャットフードによく添加されているビタミンです。活性酸素による影響を防いでくれる、抗酸化作用があります。加齢や消化器系の疾患により吸収できる量が減る場合があるため、猫の体調が悪い時は適切なビタミンEの摂取量について獣医に相談するのがお勧めです。
ビタミンK……腸内細菌によって作り出されるビタミンです。一日に必要な量など詳しいことは未だわかっていないことも多く、腸で合成される他、食材からもとれるためキャットフードに添加されていないこともあります。ただし体調が悪い時や抗生物質服用中の時などはビタミンKが不足する懸念もあるため、食事について獣医に相談してみましょう。
ビタミンの源となる食材について
キャットフードにはビタミン剤が添加されているものが多いですが、食材からとれるビタミンももちろんあります。ビタミン剤ではなく、食材からビタミンを補わせたい場合は下記のような食材が使われているフードを選ぶと良いでしょう。
(ビタミンAの多い食材)
レバー、鶏はつ、魚の内臓や血合い肉、卵黄、乳脂肪、しらす、まぐろなど
(ビタミンB群の多い食材)
レバー、豚肉、鶏肉、玄米、大豆、小麦、かつお、まぐろ、さんま、ぶり、さば、乳製品、卵、緑黄色野菜など
(ビタミンCの多い食材)
海藻、レバー、じゃがいも、緑黄色野菜など
(ビタミンDの多い食材)
しらす、鮭、さんま、さば、煮干し、肝油など
(ビタミンEの多い食材)
ひまわり油、米ぬか油、とうもろこし油、菜種油、かぼちゃ、卵黄、小麦胚芽など
(ビタミンKの多い食材)
海藻、鶏肉、卵、緑黄色野菜など
ただし上記食材はビタミンの量が豊富でも、その他の成分(ミネラルなど)が愛猫の体質や体調と合わない場合もあります。
栄養価はあくまで参考にとどめておき、まずは猫の体調・体質とフードとの相性を優先してキャットフードを選んでみてください。
また猫の体調が悪い時、加齢により消化が衰えた時はビタミンの吸収量も変わってくるため、獣医師に相談しながら食事について考えてみましょう!