高齢猫用キャットフード
若い頃に比べて眠る時間が長くなり、活発に遊ぶ時間も少なくなるのが高齢期の猫です。また食べ物を消化する力や噛む力も弱くなるため、猫が高齢になったら消化しやすく、かつ高齢猫の生活に合った栄養・カロリーが取れる高齢猫用キャットフードに切り替えなくてはなりません。
高齢猫用キャットフードには、以下のような特徴があります。
成猫用よりも低カロリー
高齢猫は成猫の時よりも動く時間が少なくなり、代わりに眠る時間が長くなります。また動く時間が少なくなるため筋肉が衰えやすく、足腰も弱くなりがちです。
このような高齢猫の生活や体のことを考えて、高齢猫用キャットフードは成猫用よりも低カロリーに仕上げられています。
基礎代謝量、運動量の低下に合わせ摂取カロリーを低く抑えれば、猫が肥満になるのを防いであげられます。
肥満になると弱った足腰への負担がさらに重くなるため、猫が高齢になったら今の年齢・生活に合った低カロリーの高齢猫用フードに切り替えましょう。
ミネラルバランスを高齢猫用に調整
猫は高齢になると様々な病気・疾患や体調不良にかかりやすくなります。その中でも高齢猫がかかりやすい疾患として、よく知られているのが慢性腎不全です。
この症状にかかった場合、腎臓が体内にたまった毒素をきちんと排出できなくなったり、また腎臓から栄養の再吸収が行われにくくなったりします。
そのため高齢猫用のフードでは、腎臓が衰えた時のために失われやすいミネラルを添加していたり、または体内で過剰になりやすいミネラルが制限されていたりします。
高齢猫にふさわしいミネラルバランスは、現在の猫の状態によって異なります。
慢性腎不全を疑う症状があらわれた場合は必ず動物病院で獣医師の診察を受け、今の猫にふさわしいミネラルバランスが補給できるフードを獣医師の指示の下与えるようにしましょう。
タンパク質が成猫用より控えめ、もしくは多め
猫が高齢になると腎臓や肝臓など内臓機能が弱まる可能性がある他、休む時間が長くなることで筋肉量が低下したり、消化機能が衰えることで栄養をうまく吸収できなくなったりします。そのため腎臓や肝臓に負担がかからないよう成猫用よりも低タンパク質に作られたフードや、逆に高齢で食が細くなっても効率よく栄養が吸収できるよう高タンパク質に作られているフードなどがあります。
どちらのフードが愛猫に合うかは体質や体調によっても変わります。
また食餌療法を行う獣医師の考え方によっても変わることがあります。
普段の健康管理に適した高齢猫用フードを選ぶ時は、信頼できる獣医師に相談の上、愛猫の体質や体調に合ったものを選びましょう。
食物繊維が増量されている
その他、猫が高齢になると衰えやすいのが腸の運動です。腸の運動が衰えると食べる量が少なくなるのも相まり、便秘気味になる高齢の猫もいるようです。
高齢猫用のフードでは、この腸の運動を刺激して便を排出しやすくするために食物繊維量を増量しているものがあります。
また食物繊維と共に腸内環境を整えてくれるオリゴ糖や乳酸菌などが加えられているものもあります。
ナトリウム量が制限されている
人間でも高齢になると高血圧を防ぐため塩分量を調整することがありますが、猫も同様に塩分量に注意しなくてはならないことがあります。特に心臓病や高血圧の心配がある猫は、ナトリウム量を制限した高齢猫用フードを獣医師さんから勧められることがあります。
愛猫が高齢になった時は、加齢で起きる体質や体調の変化に上手に対応できるフードが必要となります。
ただし高齢猫用のフードならどれでもいいかというと、そうではありません。
高齢猫用のフードは選ぶ商品によって栄養バランスが全く異なるため、シニアになったらまずは動物病院で健康チェックを受け、フード選びについて獣医師のアドバイスをもらう必要があります。
少しでも健康で長生きしてもらうために、ぜひ愛猫の体調管理にぴったり合う高齢猫用フードを選んであげてください!