猫の偏食を防ぐためのキャットフードのあげかた

猫はもともと肉食動物で、狩る獲物から必要な栄養を吸収してきた動物です。
そして猫が食べるものに対して好き嫌いを示すのは今に始まったことではなく、この野生時代からすでに始まっているようです。
猫の大好物であるウサギが豊富にいる環境ではネズミや鳥などを全く狩ろうとしなかったという研究報告もあります。

つまり猫は人間や犬のような雑食ではないため、様々な食材からバランス良く栄養をとる必要がなく、偏食が当たり前の動物といえます。
そのため猫の場合、同じ銘柄のキャットフードを一生食べても飽きない子も珍しくないようです。

一方で、同じフードを与え続けることに心配や不安を抱く飼い主さんもいます。
同じ銘柄のフードしか食べないと、いざ食餌療法が必要になった時にフードの切り替えができなくなってしまいます。
また夏場、水分をあまりとってくれない時に、ウェットフードが食べられないと水を飲ませるのが大変になります。

猫により長生きしてもらいたいと考えた時に、猫が何でも食べてくれると飼い主さんの安心材料がひとつ増えます。
偏食を防ぐため、キャットフードの与え方を色々と工夫してみましょう。

幼い頃から様々なフードに慣れさせておこう

まだ幼い猫は食べ物に対しても好奇心が強く、色んなものを食べようとする習性を持っています。
そのため猫の偏食を防ぐなら、幼い頃から様々なフードに慣れさせておくのがお勧めです。

子猫の間はまだ決まったフードがなく、試行錯誤しながら猫に合ったフードを探していく時期でもあります。
そして、その試行錯誤が後々、猫の偏食を防ぐことにもつながります。

幼い時期は様々なメーカーからサンプルを取り寄せ、食いつき方や完食するまでの時間、体調や排泄物をよく観察し、猫に合ったフードを探すのと同時に猫の偏食を予防していきましょう。

もうすでに同じフードしか食べてくれない猫は

同じフードしか食べない猫は、フードを不定期に選り好みして飼い主さんを困らせることもなく、うっかり食べ物を床に落としても拾い食いする危険性がないため、ある意味飼い主として安心できる猫です。

ただしその偏食の背後には、ネオフォビア(新しいもの恐怖症)と呼ばれる心の疾患が隠れている場合もあるようです。
猫がなぜネオフォビアになるのか詳しいことはわかっていませんが、幼い頃に同じフードを与え続けたことで刷り込みが行われたか、また猫が何か強いストレスを感じているのが原因ではないかと言われることがあります。

上記の通り、偏食は猫のスタンダードですが、それが強すぎると食事管理が大変になるため、他のフードにも少しずつ慣らしていき、いざという時に何でも食べられるよう食事の幅を少しずつ増やしていくのがお勧めです。

ちなみにあまりに形状や香りが違うと食べてくれないことが多いため、同じメーカーの違う味、似たような食材を使用したフードからまずは試してみて、それを食べられるようになってから少しずつフードの幅を広げていきましょう。

おやつで食の幅を広げてみよう

猫が何でも食べられるようにするには、おやつを使うのもひとつの方法です。
ウェットフードのような液状おやつや、乾燥したささみや小魚、チーズやボーロなど猫用おやつも現在は多種多様なものが販売されています。

偏食傾向のある猫は、フードの香りや食感が変わると警戒心を示して食べてくれなくなることがあります。
「食べ物は種類によって異なる香り・食感がする」ことを覚えさせる意味でも、おやつは活用できるアイテムです。
ぜひ色々な食材のおやつを使って、猫に食材そのものの香りや食感を覚えさせ、異なる食材を使用したフードでも食べられるよう慣らしていってみてください。

猫の偏食はすぐ直さなければならない困った癖ではありませんが、将来困る場面に遭遇することもあるため、直せるなら直してあげた方が飼い主さんも安心して過ごせます。
ぜひ上記方法を参考に、少しずつ違うものも食べられるようにしていきましょう!
RELATEDおすすめの関連記事
トップに戻る