キャットフードの原材料(とうもろこし・コーングルテン・ホミニーフィード)
キャットフードの原材料表記で、よく見かけるのがとうもろこし由来の原材料です。とうもろこし由来の原材料にはとうもろこしそのものを使用したものもあれば、コーングルテンやホミニーフィードなど、とうもろこしの加工食品を製造する際に出てくる副産物を使用しているものがあります。
とうもろこし由来の原材料の特徴については、以下を参考にしてみてください。
とうもろこし
とうもろこしも小麦や米と同様穀物のひとつで、成分中約7割程度は炭水化物(食物繊維含む)です。次いで多いのがタンパク質で、キャットフードの原材料表示で見かけるコーングルテンと呼ばれるものが、このとうもろこしに含まれているタンパク質源です。
脂質やミネラル、ビタミンも含まれています。
猫は炭水化物の消化が苦手ですが、とうもろこしに含まれる炭水化物やタンパク質、その他の栄養素は猫にとっても有用です。
そのためキャットフードにはとうもろこしが原材料として使われていることがあります。
コーングルテン
コーングルテンは、とうもろこしで加工食品(コーンスターチ)を作る際に出てくる副産物のひとつでタンパク質が豊富に含まれている原材料です。コーングルテンミールやコーングルテンフィードと記載されている場合もあります。
とうもろこしはでんぷん(コーンスターチ)としての需要が高い作物なので、猫にとってのタンパク質源となるコーングルテンは副産物の扱いになり、キャットフードに用いられています。
またコーングルテンは小麦グルテン※と名前が似ていることから混同されることがありますが、コーングルテンミールに含まれるタンパク質はゼインとゼアニンと呼ばれるものです。
(※小麦グルテン=グリアジン+グルテニンが結合したタンパク質)
どちらも同じ植物性タンパク質のため穀類にアレルギーのある猫は慎重に選ぶべきですが、小麦グルテンとはまた種類が違うことは覚えておきましょう。
ちなみにコーングルテンミールとコーングルテンフィードの違いは下記の通りです。
・コーングルテンミール……コーンスターチ製造の際に分離される副産物です。成分中約7~8割がタンパク質で、アミノ酸の中ではグルタミンとロイシンの含有量が高いのが特徴です。グルテンフリー食品ではありますが、とうもろこしのタンパク質にアレルギーを持つ場合もあるので注意しましょう。
・コーングルテンフィード……主にコーンの外皮からとれる副産物でコーンスティープリカーと呼ばれるとうもろこしの浸漬液を添加し、タンパク質を強化しています。ただしタンパク質の含有量はコーングルテンミールよりも少なく、約2割程度です。外皮が主原料のためコーングルテンミールよりも食物繊維が多く、約1割程度含まれています。
ホミニーフィード
ホミニーフィードはコーングリッツと呼ばれる、皮と胚芽を除去し、挽き割りにしたとうもろこしを製造する際に出る副産物で、とうもろこしの細かい粉や皮、胚芽、でんぷんなどが含まれています。成分としてはほぼとうもろこしと同様で、人間用の商品としては価値が低いために飼料としてよく使われています。
他の穀物と同様に、猫にとってとうもろこしがどの程度有用かがはっきりとはわかっていません。
また、猫が穀物の消化が苦手なことから、とうもろこし由来の原材料をキャットフードに使うことを危惧する専門家もいます。
ただし、有用と思われる栄養素は含まれており、また猫も穀物を一切消化できないという訳ではありません。
猫と上記原材料との相性を確かめながら、消化が苦手なようであれば避けたり専門家に相談したりなどして、猫にとってより良いフードを探すようにしてみてください。