キャットフードに入っていても大丈夫な添加物とは?
どれがダメでどれがOK? キャットフードに入っていても大丈夫な添加物キャットフードに入っていても、それほど気にする必要のない添加物もあります。
それが下記のような添加物です。
・トコフェロール(ビタミンE)
・アスコルビン酸(ビタミンC)
・クエン酸
・ローズマリー抽出物およびハーブ抽出物
・調味料
添加物にはフードの保存性を高める意味だけでなく、栄養素として取り入れることができたり、また猫の食いつきを良くしてくれたりするものもあります。
また添加物の中には化学合成されたものもあれば、天然の素材から成分だけを抽出したもの、またバイオ技術を利用して抽出したものなどがあります。
天然抽出物だから、またはバイオ技術により抽出した物だから、完全に食の安全が保証されているという訳ではありませんが、従来から指摘されてきた化学合成品の毒性を心配しないで済むという点ではメリットを感じられる添加物です。
以下、比較的安心な添加物の詳細です。
トコフェロール(ビタミンE)
フードの酸化防止剤として添加されていますが、ビタミンEとしての役割もあるのがトコフェロールです。合成トコフェロールの場合は天然トコフェロールより体内での働きが弱く、酸化防止剤としての役割が中心となりますが、それ以外のトコフェロールならビタミンEとしても役立ってくれます。
ビタミンEは魚の食べ過ぎによる黄色脂肪症を防ぐために必要な栄養素だといわれています。
魚をメインに使用したキャットフードの場合は、トコフェロールが添加されていないフードよりも、添加されていた方がより安心できる添加物です。
アスコルビン酸(ビタミンC)
猫は体内でビタミンCを合成できるため、主に酸化防止剤としての役割が強いアスコルビン酸(ビタミンC)ですが、猫の体調が悪い時や加齢により体力が衰えた時、また幼猫などビタミンCの合成能力が弱い時には栄養素としても働いてくれます。また亜硝酸ナトリウムが添加されているフードで心配な発がん性物質は、ビタミンCやビタミンEと共にとることで作られにくくなると言われています。
ただしアスコルビン酸は、金属イオンとの反応が良く、別の酸化防止剤を使用しているフードよりも酸化が早い場合があります。
またソルビン酸カリウムと鉄塩が同時に存在している場合、遺伝毒性のある物質を作る懸念があるとも言われています。
他の添加物と反応することでいい影響が起きる場合もあれば悪い影響が起こる懸念もあり、その他の添加物に何が含まれているかによっては注意が必要ですが、比較的安心できる添加物と言えます。
クエン酸
アスコルビン酸がフードに含まれている場合、クエン酸は金属イオンとアスコルビン酸が反応するのを防いでくれ、フードの酸化を抑制してくれる働きがあります。ただしアスコルビン酸もクエン酸もミネラルと結合しやすく、ミネラルバランスの調整が必要な疾患(結石や腎疾患など)の際は、与える量に注意が必要な場合があります。
健康な猫なら比較的安心できる添加物ですが、そうでない場合は獣医師にアドバイスをもらい適切なフードを与えるようにしてみてください。
ローズマリー抽出物およびハーブ抽出物
ハーブはもちろん植物の中に含まれる成分には、猫にとって有害なものもあります。そのため完全に安心できる成分とは言えないものの、化学合成された酸化防止剤よりは比較的安全だと考えられているのが、ローズマリー抽出物やハーブ抽出物などの酸化防止剤です。
猫の体調などをしっかり観察して、相性が良いと思われるものを与えてあげましょう。
調味料
調味料は猫のフードの食いつきを良くするために欠かせない添加物ですが、キャットフードに使われている調味料は一昔前までは化学合成されたものも使われており、合成調味料として危険視されていました。しかし近年では技術の発達により化学合成したものではなく、アミノ酸産生菌や酵母を用いて天然のアミノ酸を抽出したもの、また加工食品製造途中で出る副産物を利用したものなどが広く使われるようになってきています。
また昆布やかつおなど、天然の食材からとれる出汁を使用したフードもあります。
上記、比較的安心だと思われる添加物でも、その他の添加物や食材との相性が悪いせいで良くない影響を及ぼすこともあります。
また研究が進み、その後体にとって悪い影響が起きることが判明する場合もあるかもしれません。
添加物はもちろん、食材も含めて「食の安全」を完全に追及するのは難しいですが、その中でも比較的安心できるものを知っておくとより良いフードが選びやすくなります。
ぜひ、ひとつの参考にしてみてください。