キャットフードは冷蔵庫保管したほうがよいのか

冷蔵庫保管に適しているフードは、水分含有量の多いウェットフードです。

ドライフードは長期保存しても微生物が繁殖しないよう水分含有量が10%以下になるよう作られているので必ずしも冷蔵保存する必要はありません。
その日に食べる分を冷蔵庫保管する場合は問題がありませんが、冷蔵庫で長期保存すると扉の開閉時にできる温度差によってドライフードが結露しやすくなります。

結露するとフードに水分が付着し微生物が繁殖しやすい状態になるため、保存するつもりがかえって劣化させてしまう可能性があります。
キャットフードを冷蔵庫保管する場合は、ウェットフード・ドライフードのどちらも一日以内に食べきることを前提に保管し、長期間そのままにしない様に気をつけましょう。

その他、冷蔵庫でキャットフードを保管する場合の注意点は以下の通りです。

開封済ウェットフードは、放置せずすぐ冷蔵庫に

ウェットフードが使い切れずに余ってしまった場合は、密閉容器に移し替えて冷蔵庫にすぐに保管しましょう。
ウェットフードは水分が多いため、開封後にそのまま室温の中で放置していると細菌やカビが繁殖しやすくなってしまうからです。

細菌は30~35度程度の温度で最も繁殖しやすく、カビは20~25度程度が最も繁殖しやすいと言われています。
細菌やカビは低温状態では繁殖しにくいため、ウェットフードを開封したらなるべく室温の中に置かず、すぐ冷蔵庫に入れて保存するようにしましょう。

冷蔵庫の中身をすっきりと整理整頓しよう

キャットフードの保管が万全でも、冷蔵庫内の整理整頓ができていないとフードに微生物が繁殖しやすくなることがあります。
特に家族が多く、冷蔵庫の開閉頻度が多い家庭では、室内の空気が冷蔵庫に流れ込みやすく冷蔵庫内を低温で維持するのが難しくなることがあります。

冷蔵庫内に室内の空気が流れ込んでも、冷蔵庫内がすっきりキレイに整理整頓されていれば庫内を素早く低温状態に戻すことができるため、冷蔵庫内の食品が傷むことも防ぎやすくなります。
一方、冷蔵庫内いっぱいに食品を詰め込んでしまっている場合、室内の空気が流れ込むと庫内全体が温まりやすく、再び庫内を低温に戻すのに時間がかかります。

冷蔵庫内のスペースに余裕があった方が、扉を開閉した時の温度差が作られにくくなるため、ウェットフードを冷蔵庫保管することが多いなら冷蔵庫内もすっきりキレイに整理整頓しておくようにしましょう。

冷蔵庫を過信しすぎない

微生物の中には、低温状態でも繁殖できる低温菌と呼ばれるものもいます。
低温菌としてよく知られているのがシュードモナス属菌、エルシニア属菌、リステリア属菌です。
低温菌の中には健康な猫であれば口にしても特に異常が見られないものもありますが、増殖すると食中毒や各種疾患を引き起こすものもあります。
特に低温菌の中で注意したいのが、ペットフードのリコール原因として取り上げられることのあるリステリア属菌です。

リステリア属菌はどこにでも存在する常在菌ですが、猫だけでなく人にも感染する人獣共通感染症(リステリア症)の病原菌でもあり、食品が感染源になりやすい菌としてよく知られています。

リステリア菌は低温でも繁殖できるため、なるべく冷蔵庫を過信しすぎず、開封済ウェットフードは1日以内に使い切るようにしましょう。

水分含有量の多いウェットフードが残ったら、常温保管ではなく冷蔵庫で保管する必要がありますが、冷蔵庫内に入れたらそれだけで安心という訳ではありません。
フードを開封したらなるべく早めに使いきり、1日以内で使い切れないフードは冷凍保存するなどして、工夫しながら保存するようにしましょう。
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