激安キャットフードの危険性

ペットフード安全法が施行されて以降、キャットフードも大きく様変わりし、以前よりも高品質なフードが多く出回るようになってきました。
一方で一定の基準を満たしてはいるものの、激安キャットフードの中には猫に毎日与えるには不安材料が多いものもあります。

そこで激安キャットフードを選ぶ際に注意しなければならない点はどのようなものかをご紹介したいと思います。

着色料の使用について

価格が安いキャットフードでは、フードの見た目を良くするために着色料を使用していることがあります。
ペットフードに使われる添加物は食品用、または飼料用として許可されているものしか使用されておらず、安全性試験を実施して健康を損ねる恐れがないかを確認されているものばかりです。

ただし猫の場合、人間よりも色を識別する能力が低く、無着色のものより着色したフードによく反応するかというと微妙なところです。
特に猫は青や緑なら人間と同じような色を識別することができますが、赤色を識別することはできない動物だと言われています。
赤色の着色料は価格の安いキャットフードでよく用いられることがあり、猫のためというよりも、フードを選ぶ人間のために用いられていることの多い添加物と言えます。

着色料は猫にとってあまりメリットのない添加物のため、使用しているものよりは使用していないものを選ぶことをお勧めします。

香料の使用について

また価格の安いキャットフードで用いられることが多いのが、猫の食いつきを良くするために香料を添加しているフードです。
香料には化学的に合成したものと、天然の植物・動物原料から抽出した天然香料とがあります。
キャットフードの原材料表示で天然香料だとわかる表示のものなら比較的安心ですが、価格の安いフードでは香料について天然か合成かの詳しい明記がされていないものもあるため注意が必要です。

保存料の使用について

キャットフードによく用いられる添加物には保存料があります。
保存料は微生物の繁殖を防いでくれる効果がありますが、最近では安心・安全で人工添加物不使用のキャットフードを求める消費者が多いため、水分含有量が少なく、微生物の繁殖が抑えやすいドライフードではあまり用いられなくなってきています。

保存料が添加されている場合はキャットフードに含まれている水分含有量や、キャットフードの容器・包装が保存性に優れているものかどうかを確認し添加が必要なフードなのかどうかを確認してみましょう。

水分含有量が少ないにも関わらず保存料が添加されている場合、容器や包装にその理由がある場合もあります。
なるべくなら価格が比較的高くても、容器や包装でフードの保存性を高めているフードを選ぶのがお勧めです。

酸化防止剤の使用について

酸化防止剤についても近年ではハーブ抽出物を用いていることが多く、化学的に合成された酸化防止剤（キャットフードによく用いられているものにはBHA、BHTなどがあります）も使用するフードが少なくなってきています。
化学的に合成された添加物については危険性を指摘する意見も多々あります。
フードの酸化防止に何が使われているか、それを与え続けるとどのような心配があるかもチェックするようにしましょう。

穀類・豆類の副産物について

価格が安いフードでは、原材料費をなるべく安く抑えるために穀類・豆類やその副産物（ふすま、おから、脱脂大豆、中白糠、脱脂米糠など）を多く使用しているケースがあります。
これらの原材料には、その原材料からしか得られない栄養素などもあり、食材として取り入れるメリットもあります。
ですが、肉食動物である本来の猫の食性に合わないため、消化不良などを起こす可能性があると危険視する意見もあります。
穀類や豆類を多く用いているフードと、猫の体質が合わない場合は注意しましょう。

ペットフード安全法の施行により、以前よりも安心できるキャットフードがたくさん出てきてはいますが、愛猫により安心で安全なフードを与えたいと考えた時には不安な要素が多いフードもあります。

価格が安いフードは飼い主の経済的な負担を軽くしてくれますし、中には猫が喜んで食べてくれるものもありデメリットしかない訳ではありません。

価格が安いフードを選ぶ時はメリットとデメリットをよく考慮した上で購入するようにしましょう。