キャットフードの添加物(トコフェロール)

トコフェロールはビタミンEの別名で、主にフードの酸化防止や猫の黄色脂肪症を防ぐために添加されている物質です。
最近のフードでは人工的な添加物による猫への悪影響を懸念する人も多く、また魚の食べ過ぎでなりやすい黄色脂肪症を防ぐために、酸化防止剤としてまたビタミンEを補給させるため使われることが多くなってきている添加物です。

トコフェロールには、以下のような特徴があります。

多価不飽和脂肪酸の酸化を防いでくれる

魚に含まれる脂肪は、酸化しやすい多価不飽和脂肪酸を多く含んでいます。
この脂肪酸の酸化が、魚のとりすぎによる黄色脂肪症を引き起こす原因とも言われています。
トコフェロール(ビタミンE)は抗酸化作用があり、この魚に含まれる多価不飽和脂肪酸の酸化を抑えてくれる働きがあります。
魚をメインの食材として使用しているキャットフードの酸化を防いでくれるだけでなく、魚をよく食べる猫の病気を予防するためにも、トコフェロール(ビタミンE)は役立っています。

トコフェロールの種類

トコフェロール(ビタミンE)には様々な種類があります。

・α-トコフェロール
・β-トコフェロール
・γ-トコフェロール
・δ-トコフェロール

またビタミンEにはトコトリエノールと呼ばれるものもあり、上記のようにαからδまでの4種類があります。

トコトリエノールもトコフェロールと共に、ビタミンEを構成する成分です。
どちらも抗酸化作用がありますが、抗酸化作用の即効性はトコトリエノールの方が高く、持続性はトコフェロールの方が高いと言われています。

また上記4種類のトコフェロール内、血液や体内の組織に最も多く含まれているのはα-トコフェロールです。
ビタミンEを構成する成分中、体内での活性が一番強いのがα-トコフェロールだと言われ、そのため猫の食事からとるビタミンE摂取基準は、α-トコフェロールの摂取量をあらわしていることがあります。

合成トコフェロールとは?

またキャットフードに使われているトコフェロールには、天然のトコフェロールと合成したトコフェロールがあり、同じトコフェロールでもそれぞれに働きが異なります。
合成トコフェロールは酢酸ビタミンE、トコフェロール酢酸エステルもしくはdl-α-トコフェロールなどの名前で表示されることがあります。

合成も天然も同じビタミンEには変わりありませんが、体内で働く活性の強さは合成ビタミンEよりも、天然ビタミンEの方が高いと言われています。
そのため合成ビタミンEは主にフードの酸化防止目的で使われています。

ミックストコフェロールとは?

ミックストコフェロールは天然のビタミンEで、上記でも解説したαからδまでの4種類のトコフェロールが含まれているビタミンEです。
抽出トコフェロール、もしくは抽出ビタミンEなどの名前で表記されていることもあります。

添加物ではありますが、栄養補給の目的で添加されていることがあるのがトコフェロールです。
トコフェロールにもさまざまな種類があるため、種類についても気にしながらキャットフードを選ぶと、より猫に合うフードを探しやすくなるかもしれません。
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